2014年6月の活動index
- 6月29日
- 小野子地区文化財防災訓練
- 6月28日
- 『もみの木保育園』新園舎竣工式
- 6月15日
- 第四回わんぱく相撲 下妻場所
- 古河中駐屯地六十周年・第一使節団五十三周年記念式典
- 6月1日
- 下妻市市制施行60周年祈念式典
- 特別養護老人ホーム竣工式
小野子地区文化財防災訓練
このホームページには、過去、何回も登場した「県指定文化財の「木造十一面千手観音坐像」、通称、「小野子千手観音」ですが、本日、小野子自治会の小野子観音堂・公民館運営委員会の主催により、「防災訓練」が行われました。
この観音菩薩像関係につきましては、このホームページ内を検索していただいて、過去の掲載を参照していただければ、その由来や、なぜ、県指定文化財を、小野子「地区」が管理しているのか、などがお分かりになります。
本日は、朝から雨、でした。それも、激しくなったり、小降りになったりで、これは外での訓練はできないか、と心配しておりましたが、開始時間の9時が近づくにつれて雨は上がり、梅雨らしい蒸し暑い曇天となりました。
そこで、下妻市役所や下妻市消防署も参加した小野子自治会の防災訓練は、観音堂と併設する公民館での開会式から、予定通り開始されました。
開会式の後、舞台を外に移して「バケツリレー」「消火器訓練」「放水訓練」を行いました。他所の地区でこうしたことをしている、というのは聞いたことがないのですが、この小野子自治会では、毎回、『防災訓練タイムスケジュール』を作って訓練に臨みます。そして、そのタイムスケジュールに記載されている各訓練は、どの様にするべきかについて、『小野子千手観音防災マニュアル』を作っています。実に詳細に訓練内容が記載されている優れたマニュアルで、その主旨は、『消防が到着するまでの初期消火』、としております。
さて、私が、お招きを受けてご挨拶するときは、いつも背広にネクタイ姿なのですが、この「防災訓練」と「夏祭り」ばかりは、「一兵卒」の「飯塚秋男」になって、それなりの「戦闘服」を着用しての参加、となります。
「バケツリレー」は、観音堂の前の道路で訓練するのですが、「消火器訓練」と「放水訓練」は、観音堂の西側に、ちょっとした空き地があって、そこに移動して行います。
この訓練、実際に火災が発生した時に、小野子自治会が具体的にどの様に対応するかに重点を置いております。たいていの訓練は、実際を想定しているのですが、なかなか、「実際に迫る訓練」は、難しくて、往々にして断片的な訓練になってしまうことが多いのですが、この小野子地区の防災訓練は、その点、「違う」のです。
「火災時の想定」なのですが、まず、火災発生に気がつくのは、どんな時で、誰が発見するだろう、と考えています。もし、夜だったら男たちがいるが、昼間だったら、最初に気がつくのは、たいてい在宅している「主婦」だろう、と想定しています。ですから、「消火器訓練」は、重点的に主婦の方々にしてもらっています。
また、男性でも同様です。
たいていの人は、備えられている消防放水設備を使ったことはありません。そこで、下妻市消防署員の放水訓練に引き続いて、小野子自治会員にも、実際に即した訓練をしてもらいました。
観音堂前にある「ホース格納庫」を開いてホースを取り出し、「消火栓マンホール」の重い蓋を持ち上げて、ホースを消火栓に接続します。一方、「ホース」には、放水器具をとりつけて、消火する場所まで、ホースを引っ張って行きます。消火栓とホースの関係ができても、勝手に消火栓を開くことはできません。放水者が、放水器具の先端をしっかり保持しているのを確認せずに消火栓を開くと、思わぬ事故に繋がってしまいますから、その辺のやりとりを中継する人も必要です。最低四人は必要な放水作業ですから、その手順をしっかりと訓練しておかなければいけません。
『消防が到着するまでの初期消火』を目的にしておりますし、下妻市消防署は、「目と鼻の先」です。ですから、いくら訓練していると言っても慣れない自治会員が準備しているうちに、消防車が到着してくれると思いますが、「バケツリレー」と「消火器」で済んでしまうことだって考えられます。
大事なのは、「そのときに備えておく」と言う気持ちだと思います。なにしろ「木像」のご本尊ですから、灰燼に帰したら、もうどうしようもないのです。昨年、開基七百年祭をしました。鎌倉時代からこれまで連綿と受け継いできたこの坐像を、私達の世代から次の世代に無事に引渡し、これをずっと続けてゆこうとするなら、こうした訓練は、欠くことができません。
また、そうすることは、各世代の義務だと思います。これからも、町内皆さんで一緒になって、千手観音を守って行くことをお願いして、ご挨拶とさせていただきました。
『もみの木保育園』新園舎竣工式
この四月に同園の入園式・進級式を掲載しました。そのとき、ご父兄が部屋の外まで溢れていた事を掲載しましたが、その狭い園舎が、広い最新式の園舎へと生まれ変わりました。
新園舎は、南に数百メートルの場所に建築されました。
現在の園舎が手狭になってきて、隣接する駐車場を利用して対応できないか、という相談を受けたのですが、私は、改築するくらいなら新築してしまった方が、今後のためにも良いだろうと思い、下妻市や県と相談し、新園舎建築場所の地権者のご協力を得て、実現の運びとなりました。
なお、現在の園舎は、今後、「子育て支援事業 もみの木ふれあい広場」「下妻市放課後児童対策事業 もみの木学童クラブ」として、引き続き利用されることになっております。
こうした保育園整備は、最近、取上げられるようになった「人口減少問題」と密接に関係しております。
私のホームページでも何度か掲載しました『消滅可能性の全896自治体一覧』というものがあります。『2014年05月09日 日本創成会議・人口減少問題検討分科会の推計による「消滅可能性」896自治体』には、『2010年から30年間での20歳から39歳の女性人口の予想減少率』が、自治体ごとに表わされています。この世代の女性が減少すれば、人口低減により、その自治体は、消滅する可能性がある、と言うことなのです。
今のところ、この下妻地区は、その候補には上がっていませんが、県西地区のいくつかの市町村が、「該当している」とされています。この竣工式に来賓として出席された茨城県保健福祉部長のお話にも、「茨城県の人口は、三年連続して一万人以上減少している」ということが出ていました。このまま放って置けば、下妻地区だって「候補」になってしまう恐れがあるのです。当然、国も危機感を抱いていて、そのことは、今月、閣議決定された「日本再興戦略2014」(PDF形式・98ページ・859kb)にも現れています。
その中で、「今、日本は、いずれ世界の国々が直面することとなる少子高齢化、資源・エネルギー問題などに真っ先に取り組まざるを得ない「課題先進国」の立場に置かれている。」が、「これは世界に先駆けて課題を解決することができれば、新たな成長分野で一躍世界のトップに躍り出るチャンスを前にしているということでもある。」としております。そして、その施策の一つに「女性が働きやすい環境を整え、社会に活力を取り戻す」と言う事を上げています。
「特に、これまで活かしきれていなかった我が国最大の潜在力である「女性の力」を最大限発揮できるようにすることは、少子高齢化で労働力人口の減少が懸念される中で、新たな成長分野を支えていく人材を確保していくためにも不可欠である。
女性の労働参加の拡大や、経営への参加の促進は、これまで以上に多様な価値観を取り込む新たなサービス・製品の創出を促進し、社会全体に活力をもたらすほかに、家庭の単位で見ても、ダブルインカムが実現されることで、家計所得と購買力が増大し、景気の好循環が動き出し、豊かさが実感できるようになる。
このため、保育の受け皿の整備などにより夫婦が働きながら安心して子供を育てる環境を整備すると同時に、育児休業後の職場復帰の支援、女性の積極登用などを通じて、女性の労働参加率を抜本的に引き上げることを目指す。」
ということなのです。
下妻市も茨城県も私も、これには同感しております。こうした背景があっての「保育園整備」事業、なのです。
ただ、いくら「保育園設備」が完備していても、利用者がいなくては、やっぱり人口減少、と言うことになってしまいます。
そもそも、「人が定住してくれる」ことが重要なのです。ですから、ここ数年来、私は、県、下妻市と一緒になって「企業誘致」活動を続けてきました。そして、もう既存の誘致場所が無くなってしまったくらいの結果を出してきたのですが、「企業誘致」にも限度があります。
先の「人口減少」、それも「若い女性」の人口減少が、なぜ起きるのか、と言うことの分析結果も出ておりまして、これにも同感するのですが、要は、「仕事がないから」なのです。ですから、「仕事のある都会」に出て行ってしまい、子供を生める人たちの人口が減少して自治体存続の危機となり、「都市への一極集中」が出来上がる、と言うことなのです。
ですから、下妻地区だって安心して入られないのです。対策としては、「直ぐ近くに都市がある」ことだと考えております。そうすれば、子供を生める人たちも、下妻地区に留まって下さるでしょう。これも何度も申し上げているのですが、この県西地区の自然生活環境は、食べ物でも、空気でも、水でも、都会に後れをとってはいません。そうした環境での子育ての方を選んでいただける、と考えています。
そのためには、「直ぐ近くに都市を持ってくる」必要があります。「片道1時間、乗り換えなし」なら「直ぐ近く」と感じていただけるのではないでしょうか。これが、私達が推進している「東京直結鉄道」なのです。これが実現すれば、おそらく国の答申で「必要」の結論が出れば、この下妻地区への「移住」が起きるのではないかと思っております。
その時、「安心して子育てのできる環境」が整っていれば、さらなる「移住」の更なる追い風になると、考えております。
こんなお話をさせていただいて、最後に、新築なった「もみの木保育園」には、若いお母さん方を支える力になっていただくことをお願いしました。
第四回わんぱく相撲 下妻場所
社団法人下妻青年会議所主催による「わんぱく相撲 下妻場所」が、今年も開催されました。両国国技館にある、あの土俵と同一仕様の土俵が、大宝八幡宮内に作られていて、朝赤龍関をはじめとする高砂部屋、錦戸部屋の力士が合同練習をしています。
この辺の事情につきましては、本ホームページの昨年の記事をお読みになっていただけると良くお分かりになると思います。
「わんぱく相撲下妻場所」は、今年で四回目ですが、毎年、この本物の力士のいるこの時期に合わせて開催されています。小学4年生から6年生が参加し、日本国内200地区(主催青年会議所単位)の予選大会から勝ち上がり、東京・両国国技館で決勝にあたる「小学生対象で最大規模の相撲大会」が、この「わんぱく相撲」なのですが、茨城県では、珍しい大会になっています。なお、本大会は、下妻青年会議所が、「下妻市活性化事業」の一つとして主催しています。
私は、毎年、この大会に招待されてご挨拶をさせていただいておりますが、本大会の良いところは、まず、「本物を感じることができる」と言うことだと思っています。本物の力士が、土俵の上で泥だらけになって取り組む姿は、とても迫力があります。普通は、見ることができない「本物の相撲」は、子供たちの「本物を見る目」を養ってくれると思います。また、相撲を通して子供たちが社会に出た時に必ず必要になる「礼儀」を学ぶ、ということもあります。
ただ、格闘技ですから怪我は付き物、ということもあります。充分に準備運動をして怪我に気をつけて、元気一杯、相撲をして下さいと、ご挨拶申し上げました。
ところで、高砂部屋の「朝赤龍」関と下妻市や私の間には、「国際交流」ともいえることがありました。
モンゴル出身の「朝赤龍」関から、昨年、「モンゴルの地方には消防車なくて困っている」お話を伺いました。それで、下妻消防署で使っていた消防車を差し上げることなり、私がお届けしてきた経緯があります。
今回、さしあげた消防車のその後を、「朝赤龍」関にお聞きしましたところ、「大変役に立っていて、大いに活用している」とのことでした。「朝赤龍」関が相撲を通してモンゴルと日本の交流に貢献しているのとは、ちょっと形が違いますが、下妻市も「消防車」を通してモンゴルと日本の間の国際交流に寄与していることになる思います。
ご挨拶の最後に、そんなお話もさせていただきました。
古河中駐屯地六十周年・第一使節団五十三周年記念式典
古河市にある自衛隊駐屯地で行われた記念式典にお招きを受けて式典に出席し、アトラクションとして行われた「模擬戦闘」を拝見、その後、立食パーティーに参加してまいりました。
この日、朝9時から市内、大宝八幡宮で「わんぱく相撲」が開催されて、そちらでのご挨拶を済ませてから、古河市に急行しました。到着した頃には、梅雨の入りだというのに、それこそ雲ひとつない天気になっていました。
国会議員、県議会議員、それと近隣市町村の行政関係者には、屋根つきの仮設の招待席が用意されていましたが、自衛隊OBの方々や、協力者の方々は、日除け帽子が必須の式典でした。どなたかが、ご挨拶の中で、「本日は、ワールドカップの日本戦があるにもかかわらず、このようにたくさんご来場いただき」とおっしゃっていましたが、広大な駐屯地は、入場者で一杯でした。
式典では、国会議員の方々等から、最近の近隣諸国との関係に関連して、国防のあり方についてのお話が出ておりました。また、先の伊豆大島の土砂崩れ、東日本大震災時の自衛隊の活躍あげて、自衛隊の重要性をお話になる方もいらっしゃいましたが、皆さん、基調は「日本の守りの自衛隊」だったと思います。
私は、長い間、議員をしていて、今年は、茨城県議会の議長を拝命しておりますが、国防には詳しくありません。
これまで、私は、「人口減少対策」とか、「市外地域の活性化」、「農業対策」などなど、生活に密着した事柄について、「政治は生活そのものだ」と言って活動して参りましたが、それは、「平和であること」が大前提になっています。
そうした活動は、アトラクションで見た模擬戦闘の様なことが、実際に起きているところでは、難しいでしょう。逆に言えば、いままで活動できているのは、「平和」だったから、「平和の賜物」があったから、と言えるのではないでしょうか。
「国防」と言うことは、確かに重要な問題だ、とは考えていたのですが、平和であることについてと同じように、これまで、あまり意識していなかった様に思います。
それが、最近、クリミア半島のこととか、南沙諸島、尖閣諸島などで起きていることが頻繁に報道されるようになってきて、ようやく「平和」の中で活動できていたことを、思い知らされているような気がしております。
「誰も戦争はしたくない」、と言うのは、確かなことでしょう。ですから、世界中の人々と仲良くして、全ての争いは話し合いで解決して、軍備に頼らないようにしよう、ということが良く言われています。こういう意見は、「耳にも心にも心地よく」て、それに自分が「良い子」になったような気持ちにさせると思います。なにしろ、「私は平和を愛しています」という人に、面と向かって文句を言う人はあまりいないと思いますから。
ただ、と思うのです。世界中の国々が、「話せばわかる」のなら、大変都合がよいのですが、「話し合い」に応じてくれる相手ばかりではなく、事実を見ずに自分の主張以外、聴く耳を持たず、という相手だったらどう対応したら良いのでしょうか。国際的な法律があっても、独自の見解をかざしてこれを「無視」、力任せのごり押しをされたら、どうしたら良いのでしょう。
実際、そうとしか考えられない国際紛争が、あちらこちらで起きています。どうも、「話せばわかる!」人たちばかりではないようです。
「怪我をするより、相手の言いなりになって、無事に過ごせたほうが良い」「少し我慢すれば済むことじゃないか」と思いますでしょうか。私は、とても、そんな気持ちにはなれません。
でも、最終的に、それに対抗できる力がなかったら、否応なく従わされてしまうのは、これまでも、今後も、変わることはない、と思います。毎日の報道を見ていて、「ごり押しが通る」世界になってきているのではないか、それぞれの国のご都合があって、「法の支配」が緩んできているのではないか、と不安に思うことがあります。
今、「国防」に関する問題が、提起されています。「集団的安全保障」について、与党内でもいろいろの議論があるようですが、私は、とにもかくにも、「日本の守りに充分な力を発揮できる」法律にしていただきたい、と思っています。政府は、いろいろな事例を示して、その必要性を説明しているようですが、「何も決まっていない今、その事例が現実に起きたらどう対応できるのか」の不安が、私にはあります。「法律がないから、手出しできませんでした」なんてこと、まさか、ないだろうな、と思うのです。
こうした国防の議論の中で「戦争を出来る国にしようとしている」という意見を聞きます。「国防」のある一部分を切り取った「戦争を出来る国」なのですが、単純な私には、「先の大戦が再び」を連想させるための意見のように思えてしまいます。
確かに「ならぬことはならぬものです」という問題も世の中には、あるのですが、「国防」については、先の大戦が、なぜ起きたのか、なぜ、日本国民は止められなかったのか、その時と今の日本国民を比較したら、どうなのか、など、考えてみる必要があると思います。「戦争ができる」のと「戦争をしたくなる」のとは、ぜんぜん関係のないことだと思います。
いずれにしても、「国民を守れる」法律を作っていただきたいと思います。
こんなことを考えているうちに、迷彩服を着た女性自衛官が、「大きな音がします」と書かれたプラカードを持ち上げると、大砲が発射され、大音響が体中に「滲みこむ」様に感じました。続いて戦車が、土煙を上げ、巨体を軽々と動かして突き進んできます。
模擬戦闘でも、こんなにスゴイのです。こんな武器で戦争をすれば、たくさんの人が死ぬでしょう。戦争はしたくない、と思う気持ちは強いのですが、先に書きましたとおりの世界情勢を考えると、「日本の守り」をおろそかにすることは出来ず、なんとも頼もしく思えた式典でもありました。
下妻市市制施行60周年祈念式典
下妻市の市制施行60周年記念式典が、下妻市民会館で開催され、お招きを受けて祝辞を述べさせていただきました。
下妻市は、昭和29年4月1日に「大宝・騰波ノ江」の両村が下妻「町」と合併し、6月1日には、「上妻・総上・豊加美・高道祖」の各村が、下妻「町」と合併して、市制を施行した、と「平成22年版 統計しもつま」にあります。
私が、2歳の頃のことですが、それが、この日、満六十歳を迎えたのです。
式典には、衆参両院国会議員の先生方をはじめ、たくさんの来賓の方々がいらっしゃって、祝辞を述べて下さいました。また、この式典の後には、「土屋アンナ トークショウ」「寺内たかしとブルージーンズの演奏会」が開かれて、満場の来客を楽しませました。
たまたま、この日、午前中に「老人ホーム」の竣工式があって、そちらに出席しておりました。そのことについては、別に掲載しておりますが、そこの来賓の方々のご挨拶の中に、「高齢化と少子化」は、「人口減少問題の根源」だ、と言うお話が出ておりました。
「茨城県は、毎年一万人程度の人口減少が起きている」と言うお話がありました。
下妻市でみましても、「平成24年版 統計しもつま」によれば、出生が1日1人に対し、死亡は1.4人、と言うことですから、今後もこの調子で推移すると、危機的な人口減少につながることになります。もうひとつ、下妻市への人の出入りを、「転入」「転出」でみると、下妻市から出てゆく「転出(1日3.8人)」の方が、「転入(1日3.4人)」より多いのです。それと、市民の約22%が、65歳以上、と言うことになっています。
こんなことをお話しするのも、最近発表された2040年頃の『全896自治体の消滅可能性』統計があるからです。まだ、下妻市は、その候補に上っていないのですが、上述のデータからでも、このままにしては置けない状態であることは、ご理解いただけると思います。
この対策として私が推進しているのが、「東京直結鉄道」です。
これまで、市内への企業誘致を進めてまいりましたので、若い人たちの働く場の確保、若い人たちの人口流出の防止になり、ひいては、人口増加対策になると思いますが、「人の賑わい」の実現をを決定的にするには、この東京直結鉄道が「切り札」だと、私は、考えております。
企業誘致のためには、道路の整備も必要でしたから、圏央道、294号線の4車線化を勧めてきました。その効果が、現在の企業誘致状況に現れてはいると思うのですが、「人の賑わい」は、住民の定住化が重要なファクターだと考えております。
企業誘致と言っても、これから先、どれだけの誘致が出来るかという問題もあります。市内にいろいろな整備をしても、それが、どれだけ定住化につながるか、ということもあります。もちろん、これらの運動を否定するものではありませんが、「どうやって定住化に持って行くか」は、避けて通れない課題だと考えております。
『全896自治体の消滅可能性』統計が、若い女性の都市部への流出を「消滅原因」としてあげております。「働く場所がない」から都市部へ行く、ということなのです。ですから、農村部ほど、その傾向が顕著なのです。
私は、もう、ずっと前から考えているのですが、だから「東京直結鉄道」なのです。
この県西地区から、まるで「つくばエクスプレス」の守谷駅のように、「都心まで1時間」が実現すれば、県西地区は、充分に東京のベッドタウンになるでしょう。若い女性も、男性も、なにも「流出する必要はない」ことになるのだ、と思います。
その時、もし、新しく下妻市の住民になろうと考えた人達が、家を建てる事を考えるたとすると、都市部とこの県西地区での建築費用の差は歴然でしょう。さらに、自然環境はいうまでもありません。納得できる時間内で東京や都市部と繋がるのであれば、必ずしも都市に「住む」必要はない、と考える方は多いのではないでしょうか。
こうした状況になって初めて、市内のいろいろな施設の整備や催し物が、「人の定着」を後押しし、ますますの「人の賑わい」を実現することになる、市内の商店街も活気を取り戻すのではないか、と考えております。
今年、還暦を迎えた下妻市ですが、これからの5年、10年先、さらにもっと先を見据えた県西地区、下妻地区の発展戦略を考えた時、この東京直結鉄道は、外すことの出来ない戦術の一つだ、と私は確信しております。
この式典のご挨拶では、「下妻市の今後」のことを、お話しました。
すると、このように、ほとんど「東京直結鉄道」のお話になってしまいました。
下妻市も、砂沼周辺への誘客推進策など、「賑わいを取り戻す」施策を検討していて、私も協力させていただいておりますが、基本となるのは、やはり住民それぞれの気持ち、すなわち、「やる気」だと思います。行政だけが騒ぐだけでは、実現は難しいのです。
会場の皆様方には、是非、みんなの力で実現しましょう、とご協力をおねがいし、式典のご挨拶とさせていただきました。
特別養護老人ホーム竣工式
下妻市の砂沼湖畔東側に特別養護老人ホームが「愛宕園」がありますが、ここで、新築竣工式があり、お招きを受けてご挨拶をして参りました。
昭和48年、茨城県で16番目に開所された、当事まだ珍しかった「老人ホーム」なのですが、最近の耐震性能をもたせるために、この度、茨城県、下妻市の支援を得て新規建て直し、となったのです。
個人的には、私の母が、この「愛宕園」に最後までお世話になりましたし、前理事長とも、ずいぶん前からお付き合いをさせていただきました。
今年80歳になる理事長は、設備が良くなったことはもちろん嬉しいが、肝心なのは、入所者が、家庭にいるのと同じようなサービスを提供できる「職員の気持ち」だ、今後は、職員によりいっそう、そうした気持ちを持つように教育して行く、とご挨拶でおっしゃっていましたが、私の母がお世話になっているときにも、この「介護度が改善して行くような」職員の対応を感じておりました。
さて、今年になってから、機会があるたびに、私は『茨城県の人口減少問題』についてお話をして参りましたが、いよいよ国も「将来の急激な人口減少」への対策をすることにしたようです。
安倍政権の社会経済政策の重要課題として「人口急減の克服」を位置づけ、少子化対策に政府一体で取り組む、としております。その一つの理由に先に発表された、『全896自治体の消滅可能性』で示された、『地方から都市部への女性の流入』があります。
この『女性』というのは、『20歳から39歳まで』の、とありますから、これから子供を生んでくれる人たちを指しているのです。その人たちが、いろいろな理由で、地方を離れて都市に流れ込んでおり、これが止まらない、という統計上の結果になっていて、このまま放置すれば、地方の人口減少に歯止めがかからない、ということなのです。
そこで、従来の子育て支援に加え、「若者に魅力ある地域拠点都市」の整備に力を入れよう、というのです。
ちなみに、ですが、全国とはいわずに、この茨城県内を見てみましょう。
次ぎの市町村は、2040年には、『2010年の状態と比較』して、『20歳から39歳まで』の女性が、右側の数値(%)分だけ減少している、という統計結果を表わしています。
北茨城市 57.5(%)
笠間市 50.0
潮来市 50.9
常陸大宮市 62.5
筑西市 52.3
稲敷市 63.3
桜川市 60.3
行方市 59.3
城里町 67.0
大子町 72.6
美浦村 61.2
河内町 66.1
五霞町 58.7
利根町 62.7
例えば、「北茨城市」は、2040年には、2010年現在と比較して、約6割の「女性」がいなくなっている、だから「消滅してしまう可能性がありますよ」と言う統計結果なのです。近隣の良く知っている市町村も挙げられていますが、幸い、「まだ」、下妻市は現れていません。
でも、この統計は、「現在時点までの状況」で将来を見ておりますので、これからのこの地区の状況次第によっては、これからも下妻市が登場しない、とは言えないのです。
ですから、私が何度も申し上げるまでもなく、「若者に魅力ある地域拠点都市」作りは、どの自治体でも急務なのです。
高齢者の増加と少子化。どちらも「人口減少」問題の大きな要因なのですが、これから生まれてくる子供の問題と比較して、既にはっきりしている高齢者増加の問題は、より緊急性があると思います。
その一つに、愛宕園の様な施設の不足、ということがあります。
現在の社会状況、とりわけ家族・就業状況を考えると、在宅介護は困難である、と思います。もちろん、「親の面倒を見る」のは子供の務め、だと思いますが、その方法として家族主体の「在宅介護」は、ほとんど「無理」、だと思います。
食事、排泄介助はもとより、「徘徊」対策などもあり、これには、日夜を問わない対応が必要なのです。しかも、毎日、これが続くのです。これに「在宅」で対応しようとすれば、まず、仕事は諦めなければならず、若い人たちの生活は成り立たなくなってしまいます。実際に、現実にその通りなのです。
昔は、「老人ホームに親を預ける」ことに抵抗があったそうですが、今は、「普通」になってきています。そのためもあってか、現在、待機児童ならぬ「待機老人」が茨城県内に約六千人、いるそうです。
「少子化問題」への対策は、とても重要なのですが、既に目の前に存在する高齢者の対策として、今後、愛宕園の様な施設をどのように増やして行くのか、あるいは、別の対策を考えるのか、いずれにしても、大変重要な問題であると、改めて認識をしました。